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もくじ
戦争地帯で活躍する国際援助活動家達の日常を描く!映画『A Perfect Day/ロープ 戦場の生命線』
バイオレンスなアクションでは欠かせない俳優、ベニチオ・デル・トロが国際援助活動家を演じ、戦争地帯で起こる数々の不条理や現実をリアルに、でもあまり生々しすぎないバランスで描く今作品。
彼らはなぜロープが必要なのか??
映画『A Perfect Day/ロープ 戦場の生命線』のあらすじやネタバレ感想、日本公開日やキャスト情報など詳しく紹介!
映画『A Perfect Day/ロープ 戦場の生命線』の原作とあらすじ
この映画、原作があるんです。
2015年に発売された「Dejarse Llover」という本。日本語訳も読み方も分からないのが残念!スペイン語かな?ならデヤルセ・ヨヴェールかな?止まない雨とか降り続く雨とかそんな感じの意味だと思われます。原作本のタイトルは。
著者は Paula Farias。
彼女自身、国境なき医師団の医師としてスペインから活動をしていたようです。
そんな彼女の経験も踏まえた上での作品なんでしょうね。
だからこそリアルさを表現できているのかも?
あらすじ
1995年、停戦直後のバルカン半島。ある村で井戸に死体が投げ込まれ生活用水が汚染されてしまう。
国際援助活動家「国境なき水と衛生管理団」のメンバーであるマンブルゥは通訳のダミールとともに死体の引上げを試みるが運悪くロープが切れてしまう。
ビーと新人のソフィーと合流した後に国連のキャンプに向かうが、そのキャンプで本部から派遣されたマンブルゥの元恋人カティヤと合流することとなる。
何とか死体を引き上げて井戸を利用できるようにしたいマンブルゥらであったが、国連からは死体に触れてはいけないと忠告され、作業を中止するように言い渡される。
それに全く同意できないソフィー。なぜなら地元民たちは一刻も早く水を使えるようにして欲しいからだ。
国連からは中止と言われたその帰り道、地元民に水を売る人々を発見。
道中で保護した少年二コラは「彼らが水を売るために井戸に死体を捨てた」と勘繰る。
水を売る人々に突っかかろうとするソフィアをマンブルゥはなだめ、地元民の為に死体を井戸から引き出そうと行動を開始する。
しかし、切れてしまったロープの代わりを探すのがとても難航。
行く場所それぞれにロープはあるのだが、マンブルゥたちに使わせてはくれなかった。
二コラが自分の家にロープがあると申し出たので、それを信じて全員で二コラの家に向かうこととなる。
そこで彼らが向き合うことになる真実・・・・・そこで彼らは何を目撃したのか?
そしてロープは手に入ったのか?
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映画『A Perfect Day/ロープ 戦場の生命線』の製作陣やキャスト!
監督は今作が英語作品初となるスペインの映画監督フェルナンド・リオン・デ・アラノア。
面白いのは、彼、元々映画監督じゃなくて絵描きになりたかったんですって。
でも学校で授業を受けて撮影することに目覚めたらしい。人生何が起こるか分らんもんですね。
そして同じく書くことにも目覚めたらしく、多くの脚本を執筆しています。
なので、今作品では脚本も担当しています。
出演俳優たちがまた豪華な演技派ばかりなんです!
まず、メインになる国際援助活動家「国境なき水と衛生管理団」のリーダーであるマンブルゥを、戦場という場所が一番似合う男、ベニチオ・デル・トロが演じます。
彼は本当に荒んだ世界が似合いますね。
ただ、今回は人を殺す方ではなく保護したり助けたりする側なので、彼の荒くれ具合は見られないのかも?
後にSICARIO2も公開予定なので、そっちでたくさん人を殺していただきましょう。
ちなみにそのSicario2の詳細はこちら
そしてサブリーダーとなるビーを演じるのが「ショーシャンクの空に」や「隣人は静かに笑う」などの大ベテラン、ティム・ロビンス。
今作の彼の見た目がとても若いので少しびっくりしました。
新人ソフィーを演じるのは「海の上のピアニスト」のメラニー・ティエリー。
マンブルゥの元恋人カティアを演じるのは「セブン・サイコパス」などのオルガ・キュリレンコ。
こうやって見ると国際色豊かなメンバー編成なんですね。
国際援助活動家という役どころなのでプエルトリコ、アメリカ、フランス、ロシアという編成な気がします。アジア人がいないのが切ないですねぇ。
ちなみに、今作は第30回ゴヤ賞で数々の賞にノミネートされ、最優秀脚色賞を受賞しています。
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映画『A Perfect Day/ロープ 戦場の生命線』の予告編公開!
日本版予告編
いやー、相変わらずベニチオ・デル・トロがかっこいい!
でも全然バイオレンスじゃない!それはそれでいいんですがね。
この映画、一応コメディ映画としてジャンル分けされてるんですが、内容や予告編を観た感じだと全然コメディじゃないんですよね。
なんでコメディジャンルに入ってしまったのか?謎ですね。
アメリカ版予告編
こちらのアメリカ版では、もう少し現地での描写が詳しく紹介されてますね。
この、牛とか。
牛をよける為に左右に迂回すると地雷が埋まってるので死にますよという現地の死と隣り合わせな日常。
違うとは思うけど、「おもしろおかしく」という定義に照らし合わせたらコメディというジャンルに入るのかな?
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映画『A Perfect Day/ロープ 戦場の生命線』のネタバレ感想!
本当にデル・トロは戦地が似合いますね。
今作はソルジャーとしてではないけど、荒んだ戦場の地に慣れたベテランという雰囲気がぴったり!
さて、映画ですが、まず全体的なテンポがとてもスローです。
最初、本当に物事が全然進まないのでちょっとイライラしたんですが、全体を通すと、このスローテンポは訳ありなんだなーと理解できます。
というのも、基本的にマンブルゥたちがしたいことはたったの一つのことなんですよ。
ロープを探して死体を引き上げる。それだけ。
でも、このロープがなかなか見つからない!
いっぱいあるんだけど、どれも使えないんです。
その理由が戦争独特のものだったり、現地の宗教に絡んでたりして、こういう知らない土地での救助活動の大変さが本当に理解できます。
それを簡単にさらりと説明せずにきちんと状況を踏まえて説明してくれてる。親切な映画。
だからこそのスローテンポ。
これ、トントンと話が進む映画では描写できない感覚です。
そしてこのスローテンポへのイライラ自体が、現地で働く国際援助活動家たちの、物事が進まないイライラを表現しているようにも感じます。
自分たちが住んでる世界での当たり前が全然当たり前ではない世界。
こういう現場で活動する国際援助活動家のベテランとしてのマンブルゥと、新人であるソフィア、そして国連側の立場であるカティア、それぞれがそれぞれ目指す目的は一緒なんだけど、属する機関や経験などで行動することが違ってくる。
例えば始めの方で、国連の会議に出席した際に、自分の意見をしっかり言って、なおかつ理不尽な決定に反発する新人のソフィアに対して、ベテランのマンブルゥは一切手を貸さない。
彼の経験上、国連には何を言ってもダメなことが分かっているので無駄なことはしないという姿勢。
それをソフィアはマンブルゥが関心ないと思っているのかもしれない。
でも、彼の経験上で、費やしたい労力はそこじゃなくて他にあることが分かっているのと、国連は使えないのがわかってるからこその行動。それをソフィアが理解するにはもう少し経験が必要ですね。
ほんと、この映画、国連軍の現地民を二の次にした「国際平和へのミッション」というのが上手に描かれています。国連軍、国際救助活動家の行動を制限する権利がある上に、現地民に必要なことですら制限するんだもの。むかつくわー
でも、それを受け入れて活動しなければならない彼ら。そしてその活動自体が死と向い合せなんですよね。全く安全ではない。
自分のエゴだけではなく、国際情勢、現地の勢力、仕掛けられている地雷などなどをしっかり考慮したうえで慎重に行動しないと、いつでも殺される可能性があるんですよね。
この映画、一本のロープを探す行為を通して、彼らの日常における様々な障害を上手に描いていると思います。
あと、戦争映画?戦地映画?にありがちなバイオレンスな描写や血など全然出てきません。
死体も一応出てきますが、顔が出てこないのでグロさはあまりないです。
その代わり、戦地ならではの緊迫したヤバイ空気などは所々で感じることが出来ます。
これはとても良いなぁと思ったところ。
誰にでも観られる=彼らの日常にある不条理を皆が知ることが出来る。子供も。
が、一つこの映画の嫌いなところ。
音楽が最悪です。
この映画に似合わないハードロックやパンクロックを至る所で使ってます。
そしてそれが本当に映画自体を台無しにしてくれてます。
ここまで「音楽って本当に大事!」と、悪い方法で気づかせてくれる作品もそうそうないんじゃないかな。
ってぐらいに最悪です。
この音楽さえなければ本当にいい映画になってると思います。
これ、マジで音楽コーディネーターの在り方を考えさせられます。
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映画『A Perfect Day/ロープ 戦場の生命線』日本公開日は?
アメリカの公開日は2015年の5月16日。もうとっくに終わってますね(笑)
日本公開日は2018年2月10日。もうすぐ!
この映画、結構戦地のリアルな情景が描かれてるのに、血やたくさんの死体など出てこないので、そういうの苦手な人にはもってこいな作品だと思います。
色々と戦争について、そして支援の在り方など考えさせられる作品でもあります。
是非楽しみにしていてください!